研磨した御刀の紹介を致します。研磨作品画像集です。

短刀 銘則重

 

則重は正宗の十哲として有名な刀工ですが、実際は新藤五国光の合弟子、若しくは兄弟子と言われており後に越中に移住した刀工です。

相州伝をより激しく表した作風で、この作品も地鉄やや肌立ち地景太く入る松皮肌に成り荒目の地沸激しく付き、刃は沸出来で刃中金筋、二重刃掛かり複雑な働きが有り刃縁良く冴えます。

 

研磨作業は地刃柔らい割に粘りが有り、地鉄の働きを出すのも簡単では有りませんので中々大変でした。

 

平成30年、現代刀職展(研磨外装技術発表会)平造りの部に於いて優秀賞一席を受賞致しました。

折り返し銘 来国光

 

来国光は来国俊の子で南北朝期に活躍した刀工です。

時代を反映して来国俊より身幅が広く寸が長く成り、地刃に相州伝の色合いが強く成ります。

 

この御刀は、表に素剣、梵字、裏に樋の彫が有ります。

板目肌に地景入り、地沸良く付き、刃文は細直刃、湾れで沸が強く良く冴え金筋等の豊富に働きます。

 

平成29年度研磨外装技術発表会、平造りの部に於いて努力賞を受賞致しました。

無銘 基光

 

基光は長船兼光の弟子で南北朝期に活躍した刀工です。

姿、地刃に南北朝期の特徴が良く現れます。

 

地鉄は地景入り地沸厚く付き、映りが立ちます。

刃文は、互の目、丁子に飛び焼入り小沸出来に成ります。

 

平成29年度研磨外装技術発表会、鎬造りの部に於いて努力賞受賞致しました。

大和志津 

 

大和志津は美濃伝の祖、兼氏が美濃移住の前大和国に住していた時に造った作を呼んでいますが在銘確実な物は有りません。

 

この作は樋の幅(鎬幅)が広く大和伝の特徴が有ります。

刃中長く金筋入り地鉄地景地沸強く相州伝が強く現れます。

 

平成28年度研磨外装技術発表会に於いて特賞(鎬造りの部)協会会長賞を受賞致しました。

喜翁藤直胤 嘉永七年二月(大慶直胤)

 

大慶直胤の平造り脇差です。70歳を過ぎてからの作ですが相州伝の覇気満々の出来口です。

表は草の倶利伽羅、裏は護摩箸に梵字の彫が有ります。

地刃働き多く、地鉄には太い地景入り地沸良く付きます。

 

平成28年度研磨外装技術発表会に於いて努力賞(平造りの部)を受賞致しました。

                                 

青江 研磨外装技術発表優秀賞受賞作

 

青江派は備中国の刀工の一派で平安後期から南北朝期まで長く栄え、平安から鎌倉初期を古青江、それ以降を青江と呼んでいます。

 

この御刀は無銘ですが、地鉄良く詰み細かい働き多く映りが立ち刃文は直刃調に逆向きの足が入り青江の特徴が良く表れている優作で重要刀剣に指定されています。

 

平成24年度の研磨外装技術発表に出品して優秀賞を受賞致しました。

志津(兼氏)研磨外装技術発表優秀賞受賞作

 

兼氏は大和手掻派の刀匠で初銘包氏と言い後に美濃国志津に移住して兼氏と名前を改め美濃伝の祖に成りました。

また、相州正宗の十哲の一人にも数えられています。

 

在銘品は少なく、包氏銘の物は無く兼氏銘も多くは刷り上げ無銘に成り、無銘極めで地名を取り通称「志津」と呼ばれています。

この御刀も大擦り上げ無銘ですが、地鉄に相州伝に大和伝を交えて地景地沸等の働きが多く、刃文は互の目連ねた沸出来で、地刃に沸の煌めきが美しい御刀です。江戸期は島津家に伝来して金具に家紋を彫った豪華な拵えが付属しています。現在は重要刀剣に指定されています。

 

研磨差せて頂き、平成22年度日本美術刀剣保存協会主催研磨外装技術発表に出品差せて頂き優秀賞を受賞致しました。

上の御刀の切っ先部分です。

 

 

 

 

備州中路住盛次作 研磨外装技術発表努力賞受賞作品。

 

この刀工は青江派と思われますが、他に同銘作品が無く唯一の在銘品で系統はハッキリとは分からず中路の地名も備州のどこに当たるか分からない様です。

銘鑑では南北朝期と成っていますが、反り高く切っ先小さくもう少し時代が古い様にも感じます。

何れにしましても生茎在銘は大変貴重な御刀です。

 

作風は地鉄細かく詰んで地景入り地沸細かく前面に映りが現れます。

刃文は小沸出来で下半は刃縁潤み心で刃中働き多く、上半は焼刃締まり心で二重刃に成る部分が有ります。

 

この御刀の特徴は地鉄全面刃縁よりまで現れる見事な映りですので研磨する際、映りが良く見える様に留意して研磨作業を致しました。

 

平成27年度研磨外装技術発表で努力賞を頂きました。